タンナー訪問2017
ひょんなことからイタリアのタンナーを訪問できることに!
それは2017年の革の展示会。展示会に行くことで使う革の質を実際に眼で見て触れることができるので、とても重要な一日。
毎年イタリアのタンナーさんもやって来ます。革の話、工房の話、雑談・・・
そんな中、2017年の展示会で今年は年末イタリアに帰省するんです、と話していると、是非製造過程を見にいらっしゃいと言われ。またとない機会!ということで2018年初仕事はタンナー訪問!となりました。
今回訪問させていただいたタンナーはConceria800

Conceria800
まず、「タンナーって?」
皮を原皮から革製品の材料として使えるように加工する業者のこと。
Bottega Glicineで使っている皮革(レザー)を生産しているタンナーConceria800。
こちらの商品はconceria800で生産しているレザーを使っています。
イタリア中部トスカーナ州にあるイタリアの中で最も有名で、なめしの歴史のある地区にあります。
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塩漬けされた原皮
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塩漬けされた原皮
加工の工程は原皮から始まります。
原皮となる皮は皮革生産のために飼育された牛の皮ではなく、食用に飼育された牛の革が使われます。
原皮は塩漬けにされ、保存されています。
こうすることで最終的に化学有害物質や重金属を少なくすることができるそう。
この原皮の毛皮を除去をしてから、いよいよなめしの工程へと移ります。
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タンニン(渋)
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ミモザ
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栗
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アルゼンチン産ケブラチョ
植物の渋植物の木部・樹皮・根・葉等に存在するタンニン(渋)。
こちらのタンナーではケブラチョ・ミモザ・栗の3種類のタンニンを革の種類や色に応じて混合比を変えています。
天然由来の成分を使うことで、非アレルギーのレザーとなり、又質の良い製品に仕上がります。
独特の革の香りは、動物の脂と植物のエキスを含ませるなめしの工程に起因します。
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浸す
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樽で回す
なめしの方法は「CONCIA IN FOSSA」と言われ、タンニン層を使った昔ながらの方法で鞣されています。
私たちが鞄の制作に使うレザーは、伝統製法により鞣した革。時間のかかる浸す方法で鞣された革をつかっています。
そのため仕上がる製品は最高級イタリアンレザーの独特の香りと、優れたやわらかさ、滑らかな手触りがあります。
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革を吊るす機械
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乾燥
なめした革をつるして動かしながら乾燥させる工程。空気を送り込んで乾燥させます。
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使われるオイル・脂
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ドラム
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処理後
植物性の油、脂を革の繊維にすりこんでいく工程。
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縮絨
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伝統製法で鞣したレザー
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伝統製法で鞣したレザー
革をドラムの中で回転させ、圧力・振動を加え、繊維組織を密にしていきます。
この工程で動物(それぞれの個体)がもつ特徴あるシボ(しわ)を蘇らせます。
それと同時に革にさらなる柔らかさを与えていきます。
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レザー
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仕上がったレザー
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レザー
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仕上がったレザー

スタッフの方
この度のタンナー訪問で、イタリアの伝統的な製法を守りながら、より良いレザーを生産する誠実な姿を実感してきました。
見学し撮影させていただいたことは、とても光栄なことでした。
Conceria800のオーナーの方、招待してくださったスタッフ、すべてのスタッフの方々に感謝します。
Bottega Glicine Landrisicna Daniele
Conceria800で生産しているレザーでつくった製品
Fauno-ベルトポーチ
MINERA-トートバッグ
ベルト
ペンケース